
Board shorts ''Tubular''
2021.07.03~
僕がサーフィンを始めたのは、免許を取って自分の車を買った頃だから、かれこれもう15年以上昔の話です。長いのも短いのもいろんなサーフボードに乗って、高いのから安いのまでいろんなウェットスーツを着て、想い返せば数え切れないほどの、相棒達との出会いと別れの思い出が蘇ります。サーフィンのギアって本当に壊れやすいんです。板はすぐ割れたり折れたりするし、ウェットは破れたり縮んだり、実はかなりフラジールな奴らなんですよね。

サーフィンをしていて増えていくもののひとつがボードショーツです。これも数え切れないぐらいいろんなブランドのいろんなデザインのを履きました。コンペティティブなサーフィンにハマってた最初の頃は、伸縮性とか速乾性に優れたトップアスリートのシグネチャーモデルみたいなのも履いてました。

いつの頃からか、自分にとってサーフィンがスポーツじゃなくなって、アメ車を弄ったり、音楽をやったりするみたいにライフスタイルの一部になっていくと、サーフボードもボードショーツも、ギンギンにピーキーなものじゃなくて、ニュートラルでリラックスしたデザインのものに代わっていきました。
ATRCTRで初めてつくったボードショーツは、僕の15年余りのボードショーツ遍歴の結晶です。月並みだけど街から海までシームレスな水陸両用で、機能面やディティールは80年代前半に発売されてたら最新鋭。みたいなイメージで作りました。なんせ調子良すぎないのがATRCTR的にはいちばん調子良いんです。

因みにこのショーツの愛称“Tubular”は80年代のサーファー達が遣っていたスラングで、イケてるとか、ヤベぇみたいな意味だそうです。その語源は海底の地形やウネリの向きなど、いろんな条件が絶妙のコンディションで整ったときに、波が管状に巻いて出来るサーファー憧れの“Tube“に由来しています。40年ほど昔の流行語ですから、きっと遣っている人はもういないでしょう。まあ、つまりチョベリグってことです。
